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hp ZBook Firefly 14 G7スタンダードモデルのレビュー

先日、ZBook Firefly 14 G7をお借りしたので、レビューしてみます。

 

15.6型のモデルのレビューはこちら

 

pc-sougou.hatenablog.com

 

 

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レビュー機スペック

CPU Intel Core i7-10510U
メモリ DDR4 16GBx1(DDR4-2666)
GPU(I) Intel UHD Graphics
GPU(D) NVIDIA Quadro P520(4GB GDDR5)
SSD 512GB (M.2 PCIe NVMe)
ディスプレイ 14.0型FHD液晶 (1920x1080) IPS
カメラ あり (前面:HD 720P+IR カメラ、開閉式スライドカバー付き)
バッテリー リチウムポリマー 56Wh
マイク トリプルマイク(全方位・ノイズキャンセリング
本体寸法 幅323×奥行214.6×厚さ17.9mm
質量 1.4kg

 

外観のレビュー

トレンドであるフルアルミ筐体ですね。アルマイト処理のため塗装と違ってはがれてみすぼらしくなるのを防げるかもしれません。かといって材質が強くなるというほどでもないので、傷がつけばそれなりに使用感が出てくると思いますけど。

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15.6インチモデルにはあったアンテナラインがありません。金属筐体ですと、技術的には難しいはずですので、ここを妥協せずににデザイン担当と開発担当がやりあった結果だと思います。些細ですが「作り手の思い」とはこういった場面で伝わってくると私は思います。もっとも、電波の減衰レベルで比較した場合、こちらのモデルのほうが減衰している恐れもありますが、十分に検証をしたうえで世に出ているはずですので、実用上問題はないと思います。

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アンテナラインのない美しい筐体

背面側は何もなくすっきりしています。ヒンジはシングルバータイプ。直線のカットラインが美しいですね。ここでもディスプレイ側、キーボード側とメリハリをつけて、薄く見えるデザインとしています。

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最近のHPのどのモデルでも共通するデザイン

右側にはWWAN搭載モデル用と思われるsimスロット(用の穴)、Thunderbolt 3ポートが2つ、USB3.1 Gen1、充電用ACアダプター差込口があります。充電中はすぐ左のランプがオレンジで点灯します。Type-C充電をしても点灯する仕様も含め、15.6インチモデルと共通ですね。

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向かって右側面

左側にはセキュリティキーホール、USB3.1 Gen1(チャージ機能付き)、ヘッドセットコンボジャック、スマートカードリーダーが搭載されています。こう見ると薄く見えますが、薄く見せるためにデザイン上の工夫が見て取れますね。

また、HPのノートPCは先端が切りかかれていて、デザイン先行ではなく開きやすいものとなっています。

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向かって左側面

ディスプレイ面も同様に薄く見えますが、必要以上には演出してない気がしますね。

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開いた状態側面

ディスプレイはこの辺まで開きます。15.6では開き切ると下側後方のゴム足が若干浮く感じでしたが、このモデルではぎりぎり擦れるぐらいで、ゴム足が浮くようなことはありませんでした。個体差もあるかもしれません。

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ディスプレイ背面下端が机に擦れるかどうかのレベル

 キーボード面にポインティングデバイスがあります。ThinkpadTrackpointと同様で、力を加えるとその方向にマウスが動きます。ThinkpadユーザーはこのデバイスがあるからThinkpadを買うというユーザーがいるぐらいなので、慣れると使いやすいです。

私も普段ThinkpadTrackpointを使用していますが、Fireflyシリーズに搭載されているものは若干”もっちり”していると感じました。抽象的ですみませんが、もっさりとは違います。もっちりです。おそらくゴムの部分が柔らかく、厚みがあると思います。また、Trackpointを多用してスクロールする人には、このモデルは論外となってしまうでしょう。スクロールのための中央ボタンがありません。

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Trackpointライクなデバイス

 

このPCは 全周排気口がありません。ヒンジの隙間にありました。ディスプレイと、キーボードの間から排気が昇るようになっています。ディスプレイを閉じた状態でも完全にふさがれるわけではありませんが、閉じたままドックなどを経由して外部ディスプレイで運用するのは現実的ではないかもしれません。

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最近このタイプは多くなってきていると感じる


天板面の”Z”ロゴはブラックメッキのように見えます。個人的にはhpのENVY、Spectreなどにあるプレミアムロゴのほうが好みではありますが、このモデルではディスプレイ下部にあります。

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スピーカーグリルはパンチングパターンを変化させて模様に見せています。この辺はhpの各モデルにみられますね。

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キーボードの両サイドにスピーカーグリルあり

底面には吸気口が大きめに取られています。15.6インチではベイパーチャンバーについての言及がありましたが、こちらは特に説明はありませんので採用されていないかもしれません。また、シングルファン構成です。

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シングルファンだが吸気口は大きめ

メンテナンス性

裏蓋のネジは特殊なものでもなく、見えているものだけを外せば各デバイスにアクセスできます。ゴム足の裏などにネジを隠しているモデルが多かった印象ですが、ここにきて改善されてきているのでしょうか。メンテナンス性は良好といいたいところですが、メモリはオンボードのようですね。

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交換できるのはMVNeのSSDぐらい

 

サイズ感

幅323×奥行214.6×厚さ17.9mmとなっており、hpのモバイルワークステーションとしては史上最小のようです。個人的に14インチはモバイル性と作業性が絶妙にバランスしたサイズだと思っていますが、裏を返せば中途半端とも言えます。ワークステーションとしてがっつり作業したいのであれば大きなモニターが欲しくなりますし、モバイルしたいとなるともう少し軽いものがいいかなとも思います。とはいえ、ワークステーションというものを持ち歩いていると考えれば、十二分にコンパクトでしょう。

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A4用紙短辺はほぼ同じ程度

手元にあったモバイルノートとも比較してみました。13.3と比べてしまうと、さすがに少しだけ大きいかなという感じですね。少しだけ大きいとはいえ、13.3インチクラスと比べて大きく変わるのがキーピッチと、タッチパッドおよびパームレストの広さですね。ここが実用十分になるのが14インチなので、たった0.7インチの差ですが、得られるメリットは結構あると思います。

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LIFEBOOK U939/BWとProbook 635 AeroG7と比較

 

厚さをモバイルノートと比較しても違いすぎて仕方ないので、どのご家庭にもあるであろう3.5インチHDDと比較しました。

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3.5インチHDDと比較

DVDのトールケースですと2枚分未満ってところでしょうね。

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DVDトールケースとの比較

 

キーボード・タッチパッドのレビュー

キーピッチは18.7mmですが、19mmのものとほぼ同じ感覚で使えます。ストロークは1.5mmありましたがカタログでは15-17mmとなっていますので、場所によってストロークに変化があるようです。表面もわずかながらシリンドリカル(くぼんだ形状)になっており、指先がフィットしやすくなっています。打鍵感は軽めで、日本専用開発キーボードが搭載されたDragonflyよりはコンシュマー向けプレミアムグレードのSpectreやENVYに近い打鍵感だと思います。音はそれらよりさらに静かなほうだと思います。Enterキーが幅調整のためやたら幅広なのが気になりました。

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Enterキーが妙に幅広です

指紋センサーはパームレスト右上にあり邪魔には思いませんでした。

タッチパッドの広さも十分で、精度も高く操作しやすいです。NFCのセンサーが内蔵されているので、ペアリングや非接触カード読み取りなどで重宝しそうです。デュアルポインティングデバイス搭載なので、状況に応じて使い分けられるのは便利そうです。クリックボタンは左右セットがタッチパッド上端に独立、タッチパッド下端に内蔵です。クリック感は上端のものが深くしっかりとしたクリック感がありますが、少々深すぎる気もします。約1mmのストロークがありました。

パームレストはがたつきやゆがみ、ねじれを感じない剛性です。アルミ筐体だけあって、全体的に剛性は非常に高いです。

 

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某モバイルノートでもこの持ち方で試験されているとか

ディスプレイのレビュー

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14.0インチ フルHD IPS液晶

スタンダードモデルなので、解像度1920x1080、最大輝度は400cm/㎡となっています。アンチグレア加工なので映り込みは気にするほどではないです。周辺光センサー付きなので、最大輝度にあげていても自動で制限されてしまいますが、その辺は手動でも設定可能かと思います。(調べてません)

 

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十分な視野角

視野角は広く、この角度から見ても色の判別が可能です。ここは個人的に感じているところですが、液晶に関してはエントリーモデルでもHPはこだわっているなと思います。単体の液晶モニターの品質も高く、実機を見なくても買える安心感があります。

パネル自体はOEMで購入していると思うので、調達要件が高いのだと思います。

映り込みもアンチグレアなので標準的です。バックライト点灯状態であれば気になることはないでしょう。

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勝利の法則は決まった!

 

ZBook Firefly 15 G7との差異は全体的に見ても少ないですので、15.6インチモデルのほうも参考にしてください。

 

pc-sougou.hatenablog.com

 

 

性能について

以下、各種ベンチマークを掲載していきます。

SSDについてはKIOXIA製となっています。ランダム性能が高めに出ているので、ベンチマークよりも実用レベルでの快適性を求めたSSDという印象です。

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Crystal Disk Mark

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SSD以外は15.6インチモデルと差異はない

 

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3D Mark Timespy

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3D Mark Fire Strike

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3D Mark Night Raid

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Cinebench R23

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PC Mark 10

総括

 15.6インチモデルより性能が出ている傾向にありますが、体感することは難しいでしょう。しかし、それは冷却に関してツインファンでもなくベイパーチャンバーでもなくても十分に冷やせているという裏付けでもあります。

内容としてはモバイルワークステーションでもエントリーモデルという位置づけ上どうしてもQuadroが必要なんだということ以外は、スタンダードな14インチPCとそう変わりません。モバイルワークステーションなのに小さい!という感動を味わうならこの辺が及第点でしょう。

コスパの面では15.6型より少しだけ安いので、できるだけ費用を抑えて、それでもモバイルワークステーションが欲しいとなると、本機に魅力がありそうです。コンシュマーノートPCと比較してしまうと酷な面はあるとは思いますが、一般用途ではさらに安い値段で、強力なGPUを積んだノートPCはたくさんあります。

本機についてはあくまでQuadroが必要だけど「予算が限られている・できるだけ小型軽量にしたい」といった場合に選定されるモデルかとは思います。

Trackpoint系デバイスを取り入れたことも意欲的ではありますが、往年のThinkpadユーザーが触ったときに違和感を感じる部分(ゴムの感触やボタン数)があるため、必ずしも移行先に選ばれるかというと難しいところかと思います。